対人恐怖症の人が仕事探しするときの注意点やコツは?

対人恐怖症とは、周りの人から自分がどう見られているのかということを極端に気にしてしまうあまり強い不安を抱くようになり、人との接触を避けようとする症状のことです。人と会話をするのも苦手で自分から積極的に関わろうとしないため一般的には人見知りというカテゴリーで見られます。見た目は普通ですし、極力人とのかかわりを避けようとはしますが会話はできるので周りはもちろんのこと自分でも自覚していない人も多い傾向にあります。
対人恐怖症の初期症状としては人と会話をするときに緊張してしまい、それによってどんどんコミュニケーションの取り方が分からなくなってきてしまいます。そしてプライベートにおいても職場においても人から自分がどう見られているのかが気になるようになります。重度になると人との会話も難しくなり、外に出るのが嫌になって引きこもりがちになってしまうという場合もあります。
対人恐怖症によって人とのコミュニケーションが困難になってしまうと仕事選びの幅も狭くなります。まずは避けるべき仕事と向いている仕事を知ることから始めましょう。
避けるべき仕事ですが、人を相手にする接客業や営業はできないと思った方が良いでしょう。人の目を見てしっかりと相手の言葉に耳を傾け、その上で物を売ったりサービスを行う仕事だからです。人と話すだけで汗をかいたり顔が赤くなるような状態ではとても務まりませんし、うまく成果が出せないことによって余計に人とのコミュニケーションが嫌になってしまい症状を悪化させるという悪循環に陥ってしまうのです。逆に向いている仕事は自分のペースで作業を進めることができ、作業中も人とコミュニケーションをとる必要がないものです。例えばデータ入力や工場でのライン作業が挙げられます。集中して作業に取り組まなければならないので周りの人と話している余裕などありませんし、その方が対人恐怖症の人にとっても気楽でリラックスをして仕事に集中することができるのです。とはいえまったく人とコミュニケーションをとる必要がないわけではありません。職場というのは様々な年代の人や立場の人が集まる場所です。そのため誰もが仕事をやりやすいような環境づくりを行うためには円滑な人間関係を築く事で働きやすい職場環境をととのえることも大切だからです。在宅ワークのように他の誰かと一緒に仕事をするわけではないのであれば話は変わりますが、会社に出向いて働くというのであれば必要最低限の人とのコミュニケーションは行わなければなりません。
しかし対人恐怖症の人の中にも不思議と接客業を選んでしまう人がいます。人と会話をすることが苦手なのになぜか仕事探しをするときにはいつも接客業を見てしまうというのは珍しくはないのです。それは本人が「克服したい」と心の中で思っている証拠です。人と話すことが苦手でできれば1人でこもっていたいという気持ちがあるけれど、そのままではいけないと分かっているのです。だからこそ誰とでも話しができて自分を変えることで自信につなげたいという希望から人と接する仕事を選んでしまいます。もちろん人によってはオンとオフを上手に切り替えることができる人もいるので、プライベートでは対人恐怖症の症状があらわれるけれど、働いているときはまったく症状が出ないという人もいます。荒療治のようにも見られますが、決して悪いことではありません。しかしその場合には注意点として「対人恐怖症を言い訳にしてはいけない」ということがあります。たとえば営業職や販売職には利益をつくるためにノルマが課せられることが多々あります。毎日のように数字に追われるというのは精神的にも苦痛で大変です。そんな中でうまく成果を出すことができれば自信につながるのですが、万が一成果が出せなかった場合に対人恐怖症のことを言い訳に使おうとする人もいます。また接客業においてお客様とトラブルになった際にも同じように言い訳をしようとします。これは社会人としてやってはならないことです。対人恐怖症であること自体を自覚していなかったとしても、多少なりとも人と接することが苦手だという自覚はあるものです。その上で人と接する仕事を選んだのであればそれは自分の責任です。周りの誰が悪いわけでもありません、自分のトークが悪かったりサービスが悪かった結果なので「病名を口にすれば許してもらえる」というような考えではどんな仕事もできません。対人恐怖症の人が仕事探しをするのであれば、まずは自分の位置づけを考える必要があります。改善していく気があり、たとえ失敗したとしても前向きにとらえることができるのかどうか、また改善したいけれどもし失敗したときには前向きになる自信がないのか、そして最後に改善する気がなく現状の自分に合わせた職場を選ぶのかということです。これによって選ぶ職種は大きく異なりますし、選び幅も違ってきます。どんな職種でも大切な仕事なので恥じる必要はないのですが、決して自分の状態を言い訳にしてはならないということを社会人として知っておくことは必要です。